飲食店のアルバイトに自分が向いているかどうか不安に感じる人は少なくないでしょう。そこで今回は飲食店のアルバイトに向いている人と向いていない人の特徴について解説していきます。
飲食店のアルバイトに向いている人とは
<ホール編>
飲食店のアルバイトに向いている人の特徴には、以下の様なものが挙げられます。
人と話すのが好き
人と話すのが好きだという人は、接客を主に行うホールに向いているといえるでしょう。ホールスタッフとして勤務する場合、入店後の案内や確認、注文の確認、レジの対応など、お客さんと話しをする機会が非常に多いです。
人と接するのに苦を感じない人は、業務を楽しみながら働くことができるでしょう。
視野が広く気配りができる
ホールで働くスタッフはお店全体を見渡せる広い視野が必要になってきます。常にテーブルの様子を伺いながら、空いた食器を下げたり、飲み物のおかわりをすすめたり、さり気ない気配りができているとお客さんの満足度につながります。
また、ホールの仕事はマニュアルだけでは対応できない場面が多く、お客さんの状況によって判断が変わるフレキシブルな業務です。周りに気を遣いながら、一歩二歩先を読んで動ける人はホールの仕事に向いているといえるでしょう。
面倒見のいい人
飲食店は常に人が足りないという離職率の高さが問題です。厚生労働省の調査「産業別入職・離職状況(平成30年度)」によると、宿泊業・飲食サービス等の離職率は26.9%となっており、全産業平均の14.6%と比べても突出しています。
どれだけ良いアルバイトが入ってきたとしても、教育や指導ができていなければすぐに辞めていってしまいます。そこで必要となるのが、従業員の教育にも取り組んでくれる面倒見のいい人です。
人を育てることに喜びを見いだせる人も飲食店に向いているといっていいでしょう。
<キッチン編>
次に飲食店におけるキッチンの仕事に向いている人の特徴について挙げていきます。
料理が好きな人
まず何といっても料理が好きな人はキッチンの仕事に向いています。さらに「料理を食べさせたり、作ったりすることに喜びを感じる人」であればよりキッチンの仕事に向いているでしょう。
大手のチェーン店ではマニュアルがあるので、料理の経験はほとんどないけどやってみたいという方はぜひチャレンジしてみては
コミュニケーションが取れる人
キッチンスタッフはホールのような接客はほとんどありません。しかし、他のスタッフと一緒に仕事をするうえでコミュニケーションは必要です。
実際、調理の工程の中には黙々とこなす作業もありますが、そのような場合でもコミュニケーションを取らないと行けないときがあります。
コミュニケーションをとることで、他のスタッフの進捗状況を把握できてキッチンの仕事がやりやすくなります。
協力して何かをすることが好きな人
キッチンではそれぞれの調理の持ち場同士で協力して行うものです。そのため、個人プレイは好まれません。キッチンスタッフとしてお互いの調理場の作業スピードを確認しながら対応する必要があります。
協力しながら仕事ができる人は、キッチンスタッフに向いているといえるでしょう。
飲食店のアルバイトに向いていない人とは
飲食店のアルバイトに向いていない人の特徴について解説します。
<ホール編>
人と話すのが嫌い
「知らない人と話すのはストレス」「誰とも話さない仕事がいい」というような人は飲食店のアルバイトにあまり向いていないといえます。
ただし「うまく話すことに不安を感じる」場合、向いていないと感じるのは早計です。飲食店のアルバイトが初めての人やコミュニケーションがあまり得意といえない人は、不安を覚えるのは仕方ありません。
しかし、慣れてくればスムーズに人と話ができるようになりますので、思い切って挑戦してみてください。
すぐにイライラしてしまう
飲食店には毎日様々なお客さんが来店します。とても感じのいいお客さんが来ることもありますが、中には理不尽なクレームをいってくるお客さんもいるのです。
このようなことでイライラしてしまってはキリがありません。また、仮に怒りを爆発させてしまった場合、お店の印象悪化につながってしまう可能性もあるため、注意が必要です。
<キッチン編>
食に興味がない
食への興味は料理のスキルアップには欠かせません。食べることやおいしいものを作ることが好きではない人はキッチンとして働いても楽しみを見いだせず長続きしないでしょう。
マルチタスクが苦手な人
揚げ物をしながら麵をゆでるなど、キッチンではマルチタスクが求められます。いくつかの作業を同時進行できるスキルが必要です。マルチタスクが苦手だと、大変な思いをすることがあるでしょう。
汚いものを触れない
キッチンスタッフの仕事は食材を調理するだけではありません。汚れたキッチン道具や排水溝に残っている食材なども触ることがあります。特に調理場周りはヌメヌメしていることが多いので、触るのに抵抗感があるという人もいるでしょう。
手袋をつけるといった対処法もありますが、キッチンスタッフの仕事に就く場合はこの点も留意しておくべきでしょう。
体力に自信がない
キッチンは体力勝負です。体力に自信がない人は大きな負担を感じるでしょう。ただし、働き続けることで慣れていけば自然とキッチンで働くことにおいて必要な体力はついていくはずです。
向き不向きは多少ありますが、本当に向いていないという人はごくわずかです。飲食店のアルバイトは流れやコツを覚えれば面白いアルバイトですし、接客スキルや調理スキルを身につけられますよ。
飲食店のアルバイトが向いていないと思ったら
飲食店のアルバイトで働いていると失敗してしまうかもしれません。その時、自分は向いていないかもと思うことは少なからずあるでしょう。
しかし、本当に飲食店で働くことは向いていないのでしょうか。事例を踏まえて考えてみましょう。
要領が悪い
飲食店のアルバイトで要領が悪いと、スタッフに怒られることが多くなり「自分は飲食店が向いていない」と思い辞める原因になります。
しかし、アルバイトを始めて最初の1ヶ月ですべてこなせる人は珍しいので、仕事に慣れてくるまで気にする必要はないでしょう。3ヶ月働いていると、仕事の流れや雰囲気、店長や他のスタッフの性格、仕事の仕方などが見えてきて、仕事の要領が分かるようになります。
週に3~4回、3カ月働いていて要領が悪い場合、それこそ飲食店のアルバイトに向いていないか、店長や教育担当者の教え方がよっぽど悪いことが考えられます。
理由がどちらにあったとしても、今のアルバイトは辞めたほうがいいかもしれません。仕事をするうえで「仕事を覚える・できるようになる」という向上心は大切です。
使えない・向いていないといわれたら
飲食店のアルバイトとして働き始めて、多くの人は1~3ヶ月で与えられた仕事ができるようになってきます。しかしながら、3カ月以上働いていても慣れないという人はいるため、心ない上司から「使えない、向いていない」と言われるかもしれません。
もしも、3カ月以上たっても仕事に慣れず辞めたいと思った場合、慣れで解決できるか考えてみましょう。
仕事内容が向いていない
今の仕事内容について、慣れることができれば改善できるのか考えてみましょう。そもそも自分が求められている仕事を理解しているでしょうか。
飲食店は数多くあり、丁寧な接客よりも早く動くことを求められたりと業態によって仕事の質や量は変わってきます。自分に求められている仕事を理解し、働き続けるモチベーションがあるのか考えてみるといいでしょう。
また、ミスを連発してしまうから向いていないと思う人がいますが、この考え方は正しくありません。
飲食店のアルバイト経験があっても、新しいお店で仕事するのであれば、わからないことはあって当然ですし、ミスも起こります。大切なのはどうすれば同じミスを繰り返さないことです。スムーズに仕事をこなす先輩も、これまでにたくさんのミスをしてきました。どうすればミスを繰り返さないかを真剣に考えて取り組んでいきましょう。
職場環境が向いていない
職場環境とは労働時間やシフトの入れられ方、パワハラなどを指します。もしも、職場環境が悪いと感じているなら、いくら頑張っても改善は難しいでしょう。
なぜなら労働時間やシフト、パワハラなどは上司の問題だからです。労働時間やシフトはお店の利益から作られており、改善をしたいなら、そのお店によって必要な人材になる必要があります。
しかし、アルバイトがお店に必要な人材として見られるには、社員並みの仕事を求められます。フリーターならできるかもしれませんが、学生アルバイトでは難しいでしょう。
また、パワハラは問題外でどうにかしようとすると先に心が参ってしまいかねません。パワハラを受けたら早急に働く場所を変えるのが正解です。職場環境が向いていないと感じたら、他のアルバイトを探しましょう。
人間関係が向いていない
人間関係も職場環境と同様に頑張りだけで改善するのは難しくなります。しかしながら、求められている仕事を理解しできるようになればあなたの評価が上がり改善されるかもしれません。
職場環境や仕事内容が多少つらくても人間関係が良好であれば頑張れます。飲食店に限らず仕事を辞める原因に人間関係は上位に入るほど重要です。
人間関係が悪い職場であれば、楽しく働ける職場を探したほうがいいでしょう。
飲食店の仕事が向いていないと簡単に終わらせるのではなく、どうして悩んでいるのか本質を理解しておくことが解決のカギです。
飲食店はホールスタッフやキッチンスタッフと協力しなければ成り立ちません。多くの人がかかわっている仕事だからこそ、悩みの本質を正しく理解しなければならないのです。